患者さんは3週間前からめまい症状に悩まされ、病院を受診しても異常は見つからず、耳鼻科の検査でも三半規管に問題はないと診断されました。その後、当院でも検査を行いましたが異常はありませんでした。このような場合、小脳の機能低下が原因の可能性が考えられます。眼球運動の観察から左脳の機能低下の可能性も示唆され、精神的なストレスによる脳の機能低下が起こった可能性があります。
NHKが放送している「マインドフルネス」という健康のための瞑想方法は、脳の機能を正常化しストレスに対する抵抗力を高める効果があるとされています。しかし、患者さんに聞いてみるとほとんどの方がその存在を知らないことが分かりました。
NHKスペシャルシリーズ「キラーストレス」の第二回では、ストレスから脳を守るための最新の対処法として、マインドフルネスの方法が紹介されています。以下のリンクには簡単なマインドフルネスの手法が記載されており、音声も提供されているため、実践しやすいものとなっています。また、コーピング(ストレスへの対処)においても非常に効果的ですので、試してみることをおすすめします。
NHKスペシャルシリーズ「キラーストレス」第二回「ストレスから脳を守れ〜最新科学で迫る対処法〜」 http://www.nhk.or.jp/special/stress/02.html
患者さんの症例に戻りますが、通常の教科書に記載されている施術方法では大きな脳への負担を軽減することは難しいため、大きな負担を軽減する施術を行った結果、眼球運動は正常に戻りました。3回の施術により症状はほぼ消失しました。患者さんは施術後にぐっすりと眠れるようになったことが最も効果的だったと述べていますが、不定愁訴においてはそのような改善が本質的な要素である場合もあります。