【松山市】四十肩の痛みを改善!短期間での回復を

四十肩は、医学的には「肩関節周囲炎」と称され、その名の通り、肩関節を取り巻く多岐にわたる筋肉群、腱、関節包といった軟部組織に炎症が生じることで発症する非常に厄介な症状です。私たちの腕や肩関節がスムーズに動くためには、ローテーターカフ(回旋筋腱板)を構成する棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋などのインナーマッスルや、三角筋などのアウターマッスルが複雑かつ協調的に機能する必要があります。これらのうち、一つあるいは複数の筋肉や関連組織が、加齢や使いすぎ、あるいは軽微な外傷などをきっかけとして炎症を起こすと、鋭い痛みや鈍痛、そして肩を動かせる範囲(可動域)の著しい制限が生じます。例えば、腕を上げる、髪をとかす、背中に手を回すといった日常的な動作が困難になるのです。

この症状は、初期には肩を特定の角度に動かした時のみに感じる、わずかな違和感や軽い痛みから始まることが一般的です。しかし、この段階で適切な対処を怠ると、炎症は徐々に悪化し、肩関節全体へと広がっていきます。まるで小さな火種が燃え広がり、やがて大きな炎となるように、炎症が広範囲に及ぶと、安静にしていてもズキズキとした痛み(自発痛)、特に夜間に痛みが強くなり睡眠が妨げられる夜間痛が現れるようになります。この段階に至ると、痛みに耐えること自体が日常生活における大きなストレスとなり、精神的にも追い詰められるケースも少なくありません。

一度、炎症が本格的に進行してしまうと、たとえ専門的な医療機関を受診したとしても、痛みが和らぎ、肩の機能が回復するまでには、一般的に半年から一年、場合によってはそれ以上の期間を要することがあります。この間、患者さんは薬物療法(消炎鎮痛剤の内服や注射)、温熱療法、そして痛みをこらえながらの可動域訓練などのリハビリテーションを根気強く続ける必要があります。さらに憂慮すべき点として、一方の肩が改善し、ようやく苦痛から解放されたと思っても、しばらくして反対側の肩に同様の症状が現れるというケースも決して珍しくありません。これは、体の使い方や姿勢の癖、あるいは根本的な体質などが影響している可能性も考えられます。

今回ご相談いただいた患者さんは、まさにこの自発痛が顕著であり、夜間は横になると肩の痛みが増強するため、壁に背中を預けるようにして座ったまま浅い眠りにつくという、極めてお辛い状態でした。このような状況では、十分な休息が取れず、日中の活動にも支障をきたし、心身ともに疲弊しきってしまうことは想像に難くありません。

カイロプラクティックにおける四十肩へのアプローチは、直接的な炎症部位への強い刺激を避けることを基本とします。なぜなら、炎症を起こしている筋肉や組織に不用意に触れると、かえって炎症を悪化させ、痛みを増強させてしまうリスクがあるためです。そこで私たちは、まず肩関節周囲の筋肉バランスを詳細に評価し、肩甲骨の動きや背骨の柔軟性など、肩関節に間接的に影響を与える可能性のある全身の部位に着目します。そして、肩に過度な負担をかけている可能性のある他の関節の機能不全や、筋肉のアンバランスを調整することで、炎症を起こしている肩関節へのメカニカルストレスを軽減し、自然治癒力が最大限に発揮される環境を整えることを目指します。

具体的な治療計画としては、初期の集中ケアとして週に1~2回の施術を3回程度行い、ここで痛みの軽減と可動域の改善の度合いを評価します。その後、状態の安定とさらなる改善を目指し、同様のサイクルを合計で3~4セット、総計としては10回から12回程度の施術を目安とすることが一般的です。今回の患者さんの場合、約1ヵ月間の集中的な施術により、日常生活における自発痛や夜間痛はほぼ消失するまでに改善が見られました。しかしながら、腕を上げる、回すといった特定の方向への動きには、依然として制限が残存していました。この残された可動域制限については、今後、肩関節周囲の筋肉の柔軟性と筋力を回復させるための専門的なエクササイズ(例えば、振り子運動、壁を使った自動介助運動、セラバンドを用いた軽い抵抗運動など)を段階的に導入し、焦らずじっくりと時間をかけて改善を図っていく予定です。

今後も、患者さんの不安に寄り添いながら、一日も早い完全な回復を目指して、全力でサポートを続けさせていただきます。

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