顎関節症(TMJ)

顎はとても複雑で繊細な関節で構成されてます。

この顎をもっと詳細にみてみると

この様な状態です。頭と顎の骨の間には関節円板という柔らかい軟骨(コラーゲン繊維のかたまり)があります。関節円板には血管や神経はありませんが、後方に数多くの血管、リンパが存在します。そして、翼状筋という筋肉が付着してます。

関節は生理的に変形する関節円板を挟んだ滑膜関節です。多方向に動き回旋の軸が移動します。そして相対する面が違う不一致関節です。身体のどの関節より複雑につくられてます。

関節円板は顎の関節と連動して動きながら変形を起こします。

噛む動作にはたくさんのセンサーが働いてバランスをとってます。それは靭帯、関節、関節包、および筋肉の筋紡錘系にさえ存在します。ですので、施術で改善してもセンサーの再教育が必要です。簡単に言うとエクササイズや少し通って頂く必要があります。

関節円板が口の動きと共に動く際に十分に変形、または回復しない時に顎関節に負担がきて、一般的にいうロックされて動かなくなります。これはとても単純な機序で、大きくはこれまでの症例で書いてるように頸椎に両側顎関節の運動軸があって機能不全からの負担がきてたりします。

顎についてる筋肉や顎に関係している筋肉はたくさんあります。

口を開ける筋肉は、外側翼突筋、顎二腹筋、オトガイ舌骨筋が働く事によりおこります。口を閉じる時は、咬筋、内側翼突筋、側頭筋が働き、外側翼突筋が弛緩する事によって顎関節の軟骨で出来た形を変える関節円板が元の位置に戻ります。

外側翼突筋が過緊張により関節円板が元の位置に戻らなければ顎関節に負担が生まれ動かなくなります。ですので、アメリカの施術では患者さんの口に指を入れて外側翼突筋を弛緩さす施術がありますが、日本では医師でない限りそういった施術は出来きません。しかし、残念ながら日本の医師は機能不全を改善する治療はしません。

ただ単純に上記の機序で症状が形つくられてるだけなのに病院で色々大変な処置をするようでしたらほんとうに困ったものです。もちろん、私は分かったうえで異なったアプローチで処置してます。

臨床的な話をすると、この様に繊細で複雑な構造と動きの関節に負担がかかると外側翼突筋だけが悪い状態で他は問題ないですとはなりません。ですので、外側翼突筋を弛めても口は開くようになったけど痛みが減らないなどの状態が普通で、すべて改善で良くなりましたとはなりません。

顔周りの筋肉は脳神経支配なので脳の発達とともに進化の過程で複雑になったと推測します。骨盤周りは単純なので腰痛はほんとうに簡単です。腰痛を原因不明などいってる医師達は、顎関節なんて複雑過ぎでどう扱ってるのか、この症例書いてたらとても心配になってきます。

調べてみましたら、一般社団法人日本顎関節学会には円板が癒着して関節の中で動かなくなった場合,歯科口腔外科のある病院では,入院下に円板を切り離す手術もありますが,関節付近に小さな穴を開けるだけで済む内視鏡手術が主流です.と記述があります。

手術をするのは、症状の状態にもよりますが、まずは当院へいらして顎関節の機能不全を改善させてからにしてください。

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