「今週末、愛媛マラソンなんです。でも、息を吸うとみぞおちの横が痛くて…」
決戦を目前に控えた一人のランナーが、不安な表情で来院されました。不思議なことに、走っている最中は気にならないのに、立ち止まって深呼吸をすると痛みが走る。大きな問題になる前に、と駆け込んでこられたのです。
原因はどこに?身体からのサインを読み解く
レース前の大切な身体です。私たちはまず、慎重に原因の特定から始めました。
- 肋骨の骨折やヒビは? → NO まず疑われる肋骨そのものの問題。しかし、検査の結果その可能性は除外されました。
- 内臓の問題は? → NO 次に、内臓からの関連痛も考えられますが、詳細な問診と整形外科学的検査から、その可能性も低いと判断。
- では、何が? 深刻な病気の可能性が除外されたことで、私たちは**「身体の機能」**という、私たちの専門分野に焦点を絞りました。すると、いくつかの問題点が浮かび上がってきたのです。
痛みの正体は「身体の連動性のエラー」
検査で見つかったのは、以下の3つの機能不全でした。
- 横隔膜の緊張:呼吸の中心となる筋肉が、うまく機能していなかった。
- 背骨と肋骨の機能不全:呼吸の土台となる背骨(胸椎12番)と肋骨のジョイント部分の動きが悪くなっていた。
- 骨盤からの連鎖:土台である骨盤の不安定さが、腹筋を通じて呼吸筋にまで負担をかけていた。
つまり、痛みは単一の原因ではなく、「骨盤〜腹筋〜背骨・肋骨〜横隔膜」という、呼吸に関わる一連のチームワークが乱れた結果として生じていたのです。
これらの機能不全をすべて解消し、身体のチームワークを回復させると、患者様に深呼吸をしてもらいました。痛みは、もうどこにもありませんでした。
「原因は何ですか?」という問いへの、本当の答え
患者様から「原因は何だったんでしょう?」と聞かれ、私たちはこうお伝えしました。 「特定の原因を一つ挙げることは、逆に本質から遠ざかってしまいます。それよりも、今ご自身の身体で起きた『整えると、痛みは消える』という事実こそが答えです。回復のお手伝いは私たちがしますが、改善させているのは、あなた自身の身体です」
私たちは、身体の機能について少しだけ解説し、ご自身の身体と対話し、考えるヒントをお渡ししました。
最高のパフォーマンスを目指すすべての方へ
「なんとなく不調だけど、走れないほどではない」 その小さなサインを放置しないことが、怪我の予防と、あなたが持つポテンシャルの最大化に繋がります。
松山市で、ご自身の身体と真剣に向き合い、最高のパフォーマンスを目指したいと願う方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの身体との対話を、私たちがサポートします。